2019年春の選抜高野球。
高校球児のはつらつなプレーが見どころ。
しかしながら、2019年は習志野高校や横浜高校の「サイン盗み」は話題となりました。
優勝候補であった横浜高校でも「サイン盗み」騒ぎが勃発。
習志野高校でもサイン盗みの疑いを巡り審判に認められず監督が激怒して話題になりました。
2013年にも花巻東高校が「サイン盗み」で話題となりました。
そんな「サイン盗み」についてまずは野球のルールを知らない方でも
よくわかるようにご説明してきましょう。
プロ野球界名キャチャーで名高い野村克也さんの解説でご案内していきます。
そして、サイン盗みがダメな理由と横浜高校と習志野高校にサイン盗みの
その瞬間を御覧ください。
これが野球だ~捕手編~サインの出し方画像でサイン盗みのお勉強
若かりし頃の野村克也さんが1990年制作 【名球会ビデオ野球教室】の中でサインの出し方をとっても分かりやすく解説されています。
キャッチャーのサインとは
ピッチャーとキャッチャーの意思疎通のサインは次にどの球種を投げるのかを決めるサインです。
さらに野手もキャッチャーの出すサインによって守備位置を1球ごとに変更させていきます。
球種によって打者に打たれる方向が変わるからです。ですから、キャッチャーのサインはピッチャーだけにわかるように出されているわけではありません。
その他の野手、内野手によく分かるように大きく出すのが大事だとされています。
サインにはキャッチャーが出すサインだけでなく監督やコーチが出すサインなど20種類程度あります。
例えば、送りバント、盗塁、ヒットエンドラン、待て、フィニッシュサイン、スクイズ、セーフティーバント、バスター、ランドヒット、バントエンドラン、ダブルスチール、取り消し、偽装スクイズなどが挙げられます。
キャッチャーのサインを対戦相手にみられない方法
対戦相手のベンチメンバーや監督また3塁コーチャーにサインが見られないようにミットと膝で死角を作って見えないように工夫します。
しゃがんだ膝の上にミットを置けば相手ベンチからサインを見ることは出来ません。
3塁コーチから見られない位置はしゃがんでいる足の間で体の中心線よりやや右側です。
2塁ランナーだけはサイン盗みができる
キャッチャーのサインで守備が動くわけですから内野手や外野手には分かりやすく見えなければなりません。
そうすると、2塁にランナーがいると丸見えになるという不都合が生じます。
2塁ランナーだけはキャッチャーの正面なので対戦相手キャッチャーのサインが
よく見えてしまいのです。
2塁ランナーがキャッチャーのサインを見てバッターに伝えるべくサインを送る行動。
コレが高校野球では1998年に禁止となりました。
1998年以降サイン盗みが禁止となった高校野球
高校野球・周知徹底事項「大会規則9」で次のように規定されています。
走者やベースコーチなどが捕手のサインを見て
打者にコースや球種を伝える行為を禁止する。もしこのような疑いがあるとき、
審判員はタイムをかけ、当該選手と
攻撃側ベンチに注意を与えすぐに止めさせる。
出典http://www.kyoto-koyaren.jp/koyaren/pdf/95kai/syuchi.pdf
2塁ランナにサイン盗みをされない防御方法
1998年にサイン盗みが禁止される前まではサイン盗みが禁止されていませんでした。
ですから、サインを盗まれないように防ぐ必要がだったのです。
サインを盗まれないようにするための方法としては主に以下のような方法が使われていました。
複数個のサインを使う場合
3個のサインを出して2個目が本当のサインという具合にチームでサインの法則を決めて使います。
複数個のサインが出されるので見落とさないようにして時には確認のために数回同じサインを出すといったこともありました。
キーサインを使う場合
グーのサインの次に本当のサインであるといった様に全員でが申し合わせておいて
サインを決める方法
そこ他にもサインはチームでオリジナルのサインを決めて試合に挑んでいました。
サイン盗みが禁止となった理由
サインについてどういったものなのかわかるについれてサイン盗みがなぜだめなのか。
見えてきたと思います。その理由は実は2つあるのです。
キャッチャーサインの複雑化
上記でもわかったようにサイン盗みを防ごうとするとサインは1個では終わりません。
複雑個のサインを組み合わせていく必要が出てきます。
複雑化したサインはバッテリー間でのサインのやり取りに時間がかかり、間延びした試合展開となります。
乱打戦による攻撃時間が長くなるとうわけではなく、単純に一つ一つの打席が間延びした状態になります。
それが積み重なって試合全体が遅延することになる可能性が高くなります。
よって禁止となりました。
世界の野球がサイン盗みを否定する傾向に
アメリカメジャーリーグでも以前はサイン盗みが称賛サれた時代がありました。
それは野球が「賭博」であった時代です。
その健全化によりサイン盗みが問題視されるようになりスポーツマンシップに則りサイン盗みという盗む行為は排除されるようになっていきました。
そんな世界の風潮とは逆行し日本の高校野球の世界では頻繁にサイン盗み行為が行われていました。
アマチュアレベルでの世界大会が増えると共に日本の高校野球の「サイン盗み」の
異様さが際立っ始末。
国際大会でにほんだけがサインを盗む非健全な野球であるとヒンシュクを買う
事例が増えていったのです。
その是正のために「サイン盗み」は禁止となりました。
認められているサイン盗み
全てのサインを盗むことが禁止されているわけではありません。
キャッチャーのサインを盗んでスクイズすること。
ランナーがサインを盗んで盗塁を試みること。
これらは認められています。
盗んだサインをチームメイトや打者に「伝える行動」が禁止なのです。
禁止されている2塁ランナーのサイン盗みを伝える行動
たとえばヘルメットの触る位置によって球種を伝えることがあります。
2019年3月25日の横浜高校 VS 明豊高校戦
2019年春の高校野球で騒がれた横浜高校がサイン盗みを行ったと言われている2累ランナーの行動です。
横浜高校は試合中に審判から注意を受けました。
あっという間の出来事ですが動画を御覧ください。
センバツ2日目、横浜対明豊は13-5で明豊が完勝。及川が打たれた後の3回裏、横浜が審判から、「横浜の2塁走者が打者に対し『バッターに球種のサインを送った』と疑われ注意を受けた。高校野球ではサインを送るのは罰則こそないものの禁止。名門・横浜が「サイン盗み疑惑」とは、非常にイメージが悪い。 pic.twitter.com/yVXZkdlefF
— 屁の屁のも屁じ (@onara_9314) March 24, 2019
その後、大会本部からも注意を受け謝罪をしています。
2019年3月28日の習志野VS星稜
習志野高校でサイン盗みが行われたとされるその2塁ランナーの行動です。
これはキャッチャーが審判へ抗議をしたものの認められませんでした。
動画はこちらです。
セカンドランナーの仕草露骨すぎでしょ
これでサイン盗みはありませんはないわ pic.twitter.com/nBDnBhQsIi— 岡田 ユータ™ (@Y_okada_6_8) March 28, 2019
体の一部をよく動かしたり触ったりそんな行動でも対戦相手のサインはをバッターへ伝えることが行われます。
「水掛け論で泥沼化していく習志野と星稜のサイン盗み疑惑について」
「サイン盗みは他の高校もやっているのかについて」
御覧になりたい方はこちら。
サインは正々堂々と勝負する術
キャチャーが出すサインは試合の勝負を左右するとっても大切な攻撃方法です。
キャッチャーのサインと2塁ランナーの関係が理解できればサイン盗みについてご理解いただけたと思います。
このようなサイン盗みに関する対応は試合中で行われる「注意のみ」です。特に退場など罰則が設けられていません。
罰則規定を具体的に設けていく方法でしかサイン盗みはなくならないのでしょうか。
スポーツマンシップに則ったモラルが人間性として働くことを期待したいと個人的には思います。
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