日本が金メダルラッシュ!日本のオリンピック史上、最も多く獲得した金メダル。
お家芸の柔道はやっぱりすごかった!!連日の金メダルですから、応援にも力が入りました。
また涙と感動もたくさん頂きました。
一方その影では、金メダル候補と期待されながら、まったく力を出しきれずに敗退し、涙を流す選手も多くいました。
それはそれでまた感動。
オリンピックは本当に素晴らしいものです。
とは言うものの、コロナ禍の緊急事態宣言の中で、よくオリンピックが開催されたものです。
なぜ中止にならなかったのか?またいったい誰が開会判断をしたのか?
たいへん興味があるところなので、大調査していきたいと思います。
東京オリンピックの開会判断は誰がしたの?

オリンピックは何といっても世界最大のビックイベントです。
これより大きなイベントは世界中どこにもありません。
当然のことながら、人も企業もお金も大きく動きます。
東京オリンピックの運営には、5者協議によってほんどが進められてきました。
- 日本政府(丸川五輪相)
- 東京都(小池都知事)
- 大会組織委員会(橋本会長)
- IOC国際オリンピック委員会(バッハ会長)
- IPC国際パラリンピック委員会(アンドリュー・パーソンズ会長)
IOCオリンピック委員会の立場

IOC国際オリンピック委員会は、各国のオリンピック委員会や各国際競技団体に多額の資金を分配しています。
IOC国際オリンピック委員会が獲得する、企業や個人からの収入の約9割を分配していると言われています。
もともと収入の乏しい、各国のオリンピック委員会や各国際競技団体は、この分配金で何とか経営を維持しているという現状です。
特にマイナースポーツと言われる団体の中には、即刻解散状態に追い込まれる団体が数多くあります。
名目は、世界のスポーツ振興のための分配金ですが、本音のところは、ビッグイベントである、オリンピックに参加してもらって、多くの人や企業を集めてもらうことなのです。
こう言った背景が、IOCにはあります。
日本政府の立場

一方日本国内では、度々の緊急事態宣言の発出による国民への行動制限、飲食店の営業自粛や給付金の不手際、その他、コロナ関連に伴う公務員の不正行為など問題が山積しています。
この状態で東京オリンピックが中止となれば、政権は持たないだろうとも言われていました。
日本政府、つまり菅総理としては、秋に行われる衆議院議員総選挙で、自民党が勝利するには、東京オリンピックで日本人が金メダルを多く獲得し、オリンピックそのものを成功させることが必須なのです。
以上のことから、東京オリンピックの開会判断は、IOC国際オリンピック委員会バッハ会長の発言に、菅総理が後押ししたと考えるのは自然ではないでしょうか。
緊急事態宣言の中、東京オリンピックの開会をなぜ宣言したのか?

東京オリンピックを中止に出来ない理由は複数あると言われています。
IOC国際オリンピック委員会の本音としては、世界的に見れば感染を抑え込んでいる日本で、オリンピックが開催できないはずがないだろうということです。
国際社会から見ても、現在の感染状況で、世界最大のビッグイベントである東京オリンピックを中止にしたら、日本の信用問題になるという見方もあります。
こう言った発言の裏には、大きく動く資金の流れがあります。
NBCネットワークとIOC国際オリンピック委員会との関係

米国には3大ネットワークと呼ばれるメジャーテレビ局が存在します。
その3社とは、NBCのほか、CBS、ABCを指します。
NBCは他の2社より優位に立つために、キラーコンテンツとして、オリンピック中継の放送権を巨額の費用を投じてIOCから入手しています。
IOCは、NBCからの放送権料を当てにしているため、両社は切っても切れない関係にあります。
延期された東京オリンピックの中継に関しては、2011年にNBCがIOCと契約を締結しています。
2012年ロンドン大会~2020年東京大会での5大会分で、NBCが当時支払った放送権料は43億8000万ドル(約4450億円)です。
また、3年後の2014年には、両者は2022年開催の冬季北京大会~2032年夏季オーストラリア・ブリスベン大会までの独占放送権6大会分を、過去最高額の76億5000万ドル(約7800億円)で契約しています。
NBCがこれだけの投資をしても、オリンピック番組は高く売れると見込んでいるのです。
東京オリンピックでは、夜に予選会が行われ、午前中に決勝が行われるスケジュールになっていました。
NBCの拠点であるニューヨークと東京の時差は、13時間あります。
午前中に決勝を行ったのは、米国プライムタイムでの放映を保証するために、NBCの影響が大きな要因になったと考えられます。
IOC国際オリンピック委員会、日本政府、東京都がカバーし切れない巨額資金

組織委員会予算(V5予算)収入部門
項目 | 金額 |
IOC負担金 | 850億円 |
TOPスポンサー | 560億円 |
国内スポンサー | 3,500億円 |
ライセンシング | 140億円 |
チケット売上 | 900億円 |
その他 | 350億円 |
増収見込 | 760億円 |
収支調整額 | 150億円 |
収入計 | 7,210億円 |
大会組織委員会の予算として、当初7210億円の収入を予定していました。ところが、コロナの影響で見通しがつかなくなりました。
東京オリンピック開会での経済効果は、当初は4兆5000億円と言われていたのも見えなくなり、開会しても無観客開催により、チケット収入の900億円も見込めない状況です。
東京オリンピックの為にこれまで投入した資金は、1年延長になった資金2940億円を合わせて、すでに1兆6440億円に達しています。
この内の9000億円は日本政府と東京都が負担することになっています。
また、万が一に備えての損害保険金は、IOC国際オリンピック委員会は夏季五輪に約8億ドル(840億円)、東京大会組織委員会は6億5000万ドル(680億円)と推定されています。
この金額は、すでに投入した資金の10%にも及ばない金額です。
もし東京オリンピックを中止した場合、日本政府と東京都だけでも、投入した1兆6440億円の大部分が水の泡と消え、さらに負担は、スポンサー企業68社、総額約4060億円への返金と違約金が発生する可能性もあります。
もちろんIOC国際オリンピック委員会でも、NBCへの返金を始め多くの損失が発生します。
日本政府、東京都の負担分は、もちろん日本国民の負担となり、税金に跳ね返ってきます。
いづれにしても、東京オリンピックの開会判断をせざるを得ない状況だったのです。
東京オリンピックの中止はIOC国際オリンピック委員会の存続危機をまねく

2022年開催予定の冬季北京大会は、中国のチベット、香港の人権問題やその他様々な問題があり、大きく暗雲をもたらしています。
北京オリンピック開催が不透明の中、東京オリンピックを中止にした場合、立て続けにオリンピックが中止になってしまい、IOC国際オリンピック委員会の威信は一気に地に落ちてしまいます。
さらには、このようなゴタゴタが続くと、2032年夏季オーストラリア・ブリスベン大会以降、オリンピックに立候補する都市がいなくなり、候補都市が消滅してしまうのではないかとの懸念もあります。
IOC国際オリンピック委員会としては、どのような形であれ東京オリンピックの開会判断をして、成功をアピールしなくてはならない状況であることは間違いありません。
東京オリンピックの開会についてSNSの声は?

2021年5月時点では、東京オリンピックの開会に反対の意見が多数を占めていました。
オリンピックを再び延期、または中止の合計が83%に上っています。
2021年7月に、Z世代(1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代)へのアンケートでは、「オリンピックの開催に賛成ですか?」の質問に対しては、75%が反対しています。
また、「オリンピック、いつから始まるか知っていますか?」に対しては、49%が知らないと言う結果でした。
東京オリンピック開会の前には、多くの国民が反対意見を出していたことが分かります。
ところがいざ東京オリンピックを開会すると、状況が大きく変わりました。
SNSでは、次のように多くの意見があります。
紆余曲折がありましたが東京オリンピックが開催できて良かったと思います。日本をはじめとしてアスリートの皆が存分に実力を発揮して挑んで欲しいです。新型コロナウィルス感染症の蔓延により世界中が混乱している最中で日本は立派なアスリートの晴れ舞台を用意できたと思います。
https://twitter.com/tekitoumaamaa/status/1418601762139770880
東京オリンピック開催できて良かったね❗中止だったら何も残らんかった。
https://twitter.com/YuyaTosutime/status/1418538128663482371
このように、多くの国民が東京オリンピックの開会判断は正しく、開会されて良かったとSNSに発信しています。
東京オリンピックの開会判断は緊急事態宣言の訴求力を弱めた!

もともと緊急事態宣言は、どんな状況で発出されるのかと言えば、コロナの感染状況が、国民生活や経済に、甚大な影響を及ぼす恐れがある、危機的な状況下だと判断された時です。
ところが、東京都の繁華街における夜間の滞留人口は、3度目の緊急事態宣言の2週間後には5割近く減少していたのに対して、4度目の緊急事態宣言では、2割程度の減少にとどまっている状況でした。
感染力が強いとされる、デルタ株への置き換わりも進んでいることを考えると、この状況では、東京を中心に当面は感染拡大が継続することが予想される状況になっています。
菅総理は、7月8日の記者会見で、緊急事態宣言下での東京オリンピックの開会判断を、異例の開会と認めながらも、「コロナという困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれることを発信する良い機会だ」と発言しています。
「コロナという困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれることを発信する良い機会だ」
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210708/mca2107082321030-n1.htm
いくら菅総理がこのような発言をしたところで、多くの国民の本音は、東京オリンピックの開会判断で事実上開会されれば、コロナ感染拡大に何らかの影響はあると考えていたと思います。
緊急事態宣言の中、コロナという困難に直面する今だらかこそ、自分たちが責任をもって、自分たちの好きなように行動します。と言ったところではないでしょうか。
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