京都のお土産で毎日売切れる
大人気の阿闍梨餅。
何か阿闍梨餅の名前に由来や歴史があるの?
この銘菓「阿闍梨餅」の名前が
変わっているなぁ。
なんて思われた方も
いらっしゃることでしょう。
この阿闍梨餅には
大正12年から現在に受け継がれる
100年に近い長いの歴史があります。
長い歴史があるからにはもちろん
そうそうたる由来も存在します。
阿闍梨餅の名前の由来には
大阿闍梨さまという
とても凄い僧侶のお名前にあります。
その大阿闍梨さまには
千日回峰行という修行が
ついて回ります。
この阿闍梨餅の名前の由来を画像を用いながら
易しく具体的に解説していきます。
とっても美味しい阿闍梨餅ですが
名前の由来や歴史を目で見て知れば更に美味しく
頂けること間違いありません❣
阿闍梨餅はいつから
阿闍梨餅は
「阿闍梨餅本舗 京菓子司 満月」
で作られている京都の和菓子です。
「阿闍梨餅本舗 京菓子司 満月」の
創業は江戸末期の安政3年(1856年)。
阿闍梨餅は大正12年2代目店主が考案して
発売された和菓子の一つです。
「阿闍梨餅」の由来その1~阿闍梨の網代笠
『その形は阿闍梨が被る網代笠
(あじろがさ)をかたどったもの。』
網代笠とは竹を薄く削ったものを網代に編んだ
かぶり笠のことです。
一般的にはひさしの着いた山の形をしたものをいいます。
しかしながら修行中の阿闍梨や
大阿闍梨がか被られている笠を特に
蓮華笠といいます。
これは「蓮の葉巻き」に由来しています。
蓮の葉巻はこれから開いていく若い葉です。
まだ未熟者であり修行中の意味から
阿闍梨の笠の形になっています。
というわけで
阿闍梨餅は阿闍梨がかぶる
網代で編んだ笠を示しています。
その網代の中でも
蓮の若葉を模してつくられた
笠をかたどったものが阿闍梨餅なのです。
阿闍梨餅は丸い形をしていて
中心の盛り上がりの周囲は
少しくぼんでいます。
蓮華笠と阿闍梨餅を並べてみると
蓮華笠を丸くしたものが阿闍梨餅に見えてきます。
阿闍梨餅の中心の膨らみとその周囲のくぼみが
うまく蓮華笠の葉を巻いた部分のへこみを
表現しているように見えてきます。
阿闍梨餅を考案された満月2代目店主の
繊細な表現力とセンス。
大正12年から96年もの年月を
引き継がれて今や京都の銘菓に
なっている素晴らしさに驚かされます。
「阿闍梨餅が京都土産NO.1の人気を誇る理由について」
「その阿闍梨餅を超おいしく焼きたてで食べられる満月本店について」
興味のある方はこちらを御覧ください。
[blogcard url=”https://perlman2020.jp/buddhism-ajyari-sweets-reason/”]
[blogcard url=”https://perlman2020.jp/buddhism-ajyari-sweets/”]
「阿闍梨餅」の由来その2~厳しい修行中に食べた餅
『阿闍梨の厳しい修行中に餅を食べて飢えを
凌いだことにちなんで考案されました。』
ここで『阿闍梨』『厳しい修行』とは
何を示すものなのかをご説明していきましょう。
阿闍梨とは
サンスクリット語 ācāryaの音写で
「阿闍梨耶(あじゃりや)」の略。
教授・軌範・正行などと訳し
弟子たちの模範となる高僧の敬称。
あざりともいいます。
密教で修行を完了し
伝法灌頂(でんぽうかんじょう)
(=秘法を伝授する儀式)の
職位を受けた天台宗・真言宗の僧
のことを阿闍梨といいます。
つまり天台宗における秘法を
伝授する徳の高い僧のことを
阿闍梨といいます。
さらに阿闍梨の導師を大阿闍梨
といます。
特にこの大阿闍梨の職位に付くには
千日回峰行と呼ばれる実質7年に及ぶ
荒行を満行をする必要があります。
戦後、大阿闍梨の称号を得られたのは
たった14人。
歴代を通じても51人しかおられません。
その過酷な厳しい修行である千日回峰行。
千日回峰行の修行の700日目を終えた際に
与えられる称号を「阿闍梨」と言います。
その千日回峰行の修行を行う阿闍梨の
飢えを凌いだ餅にちなんで
阿闍梨餅は作られたのです。
「更に阿闍梨の千日回峰行の内容やその修行姿の凄さについて」
知りたい方はこちらをご覧ください。
[blogcard url=”https://perlman2020.jp/one-thousand-days-contents/”]
また14人しかおられない
大阿闍梨ってどんな僧侶?
そう思われた方は大阿闍梨『叡南俊照』師の魅力に
ついてお話しているこちらの記事を御覧ください。
[blogcard url=”https://perlman2020.jp/buddhism-ajyari-shun/”]
パワースポットに行ったようなスピリチュアルなパワーを感じる事が出来ます。
厳密には網代笠をかぶるのは阿闍梨だけじゃない
「阿闍梨餅は阿闍梨がかぶる
網代で編んだ笠」とお話してきました。
これはもちろん正しいです。
阿闍梨がかぶっています。
ただ、厳密に言うと「阿闍梨」という称号は
千日回峰行の700日目の修行を終えた際に
与えられる称号です。
回峰行には千日回峰行の他に
百日回峰行という3年間にわたって
行われる修行があります。
その百日回峰行の修行の75日目に
京都切廻りという修行があります。
毎年実際に6月頃に行われている
行事です。
百日回峰行をされている僧侶の中で
75日目の京都切廻りから蓮華笠を
被ることが許されます。
阿闍梨の称号を得られるのは
千日回峰行700日目なので
百日回峰行の修行で蓮華笠を
被る僧侶はまだ阿闍梨とは
呼べません。
よって網代笠をかぶることが出来るのは
百日回峰行を行う僧侶。
千日回峰を700日まで終えた僧侶。
更には千日回峰行を満行した
大阿闍梨ということになります。
こういった千日回峰行の内容や
阿闍梨・大阿闍梨を京都切廻りという
修行のなかで実際に見ることが出来ます。
もちろん蓮華笠も身に付けておられます。
その京都切廻り情報についてご覧になりたい方はこちら。
[blogcard url=”https://perlman2020.jp/buddhism-ajyari/”]
阿闍梨餅の由来を知って更に美味しく
そんな大阿闍梨になるための
厳しい修行をされている「阿闍梨」に
ちなんだ阿闍梨餅。
阿闍梨餅の由来を知ることで更にありがたく
美味しくいただくことが出来ます。
もしかしたら阿闍梨さまにちなんだ
「阿闍梨餅」という響きが
人気を集めている理由のひとつ
なのかもしれません。
大阿闍梨のスピリチュアルなパワーを
い頂きながら私達の心と身体の
エネルギー補給にしてはいかがでしょうか。
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