感動と涙の夢舞台、東京オリンピックが閉幕しました。
日本は金メダル27個を含め、合計58個のメダルを獲得!!本当にすごい!!
感謝、感激、雨あられで、大いに盛り上がり、楽しませて頂きました。
悲しくて印象に残ったのは、日本サッカー代表の4位と陸上男子400mリレー。
第2走者にバトンが渡らなかった瞬間、息が止まるくらいショックでした。残念!
感動の余韻の中、なごりおしい気分が続きますが、次はいよいよ来年にせまった、北京オリンピックの番です。
中国では、記憶に新しい香港の問題や、ウイグル、チベットの人権問題が大きく取りざたされています。
このままで北京オリンピックが開催されるのか心配になりますよね。
その当たり実際はどうなのか、状況を探っていきたいと思います。
北京オリンピックが中止になる可能性はあるのか?

北京オリンピックが中止になるのでは?との憶測の中身は、
- 新疆ウイグル自治区での大量虐殺
- チベット族の何千人もの逮捕、投獄
- 香港の言論の自由と政治的自由が抑圧
などがあります。
そんな人権を無視する国で、平和の祭典である、オリンピックを開催していいの?という事なのです。
中国に対する批判は、他にも見え隠れしています。
簡単に時代背景を追って見ていきましょう。
ニクソンショックから50年!見直しをせまられる西側諸国?

第二次大戦後冷戦と言う、世界を2分した時代がありました。
アメリカや西側諸国の資本・自由主義諸国とソビエトなどの共産・社会主義諸国です。
アメリカは蒋介石率いる台湾(中華民国)と手を組み、ソビエトは毛沢東率いる中国(中華人民共和国)と手を組んでいました。
当時は、中国の代表として台湾(中華民国)が国連に参加しています。
ところが、仲のよかったソビエトと中国(中華人民共和国)との間に紛争が起こります。
1969年のことです。
当時のアメリカのニクソン大統領は、もし中国(中華人民共和国)がソビエトに粉砕されるようなことがあると、ソビエトは国土、人口ともに大きくなってしまう。
アメリカの国益に大きなダメージになると考え、外交政策を見直し、中国(中華人民共和国)と手を組む政策に切り替えました。
これがニクソンショックと言われるものです。
1971年2月にはニクソン大統領が北京を訪問しています。
以来西側諸国だけでなく、日本も1972年に日中国交正常化を果たしています。
台湾(中華民国)は、これを契機に国連から外された形になりました。
また中国(中華人民共和国)からの「1つの中国」の主張や資本主義諸国の台湾への国交断絶を迫られ、台湾は孤立化の道を歩まざるを得ない状態になりました。
一帯一路構想の問題点

一帯一路とは、「シルクロード経済ベルト」(一帯)とインド洋経由の海路「21世紀海上シルクロード」(一路)のことです。
一帯一路構想とは、今後、数十年かけて、これらの地域に道路や港湾、通信設備などインフラ投資、金融、製造、貿易などの投資を積極的に進め、産業活性化をしていくプログラムです。
この構想の中、中国は企業の買収にも積極的で、ギリシャ最大の港の運営会社の株式を取得、ドイツでは産業用ロボットメーカーを中国の家電大手が買収しています。
ドイツ政府は買収の審査基準を厳しくし、EUもまた審査を強化しています。
イギリスのジョンソン首相は、香港問題を受け中国依存からの脱却を指示し、中国のファーウェイ製品を排除する方針を示すなど、両国の関係が急速に冷え込んでいます。
影響力を増す中国に対して、アメリカやオーストラリアも早くから政治的な距離を置き始めています。
ニクソンショックから50年、かつては中国発展のために投資しつづけてきた西側諸国も、中国の一帯一路構想には、うんざりしており、警告を与えるチャンスを伺っている状況なのです。
ただし、イタリア、ギリシャなど南ヨーロッパ諸国は中国の恩恵を受けており、アフリカ諸国の大半は中国依存の国家体制になりつつあることも見逃せません。
以前から発覚している中国の人権問題

中国共産党は、国民の幸福と人類の進歩を図るという方向性を示しています。
国民を幸せにするので、中国共産党の指示に従って下さいと言ったところです。
一方で、中国国内で中国共産党批判や分離独立を支持するならば、テロリストと位置づけ、中国共産党を守り抜く姿勢を貫いています。
中国の人権問題に関しては、内政干渉と言われる所以です。
2008年に夏季北京オリンピックを開催した際も、同様に人権問題はありました。
チベット人弾圧の実態が暴露され、聖火リレー中に世界各国から抗議の声が上がりました。
中国政府は、人権問題は緩やかに解決するとして、国際社会に協調する姿勢を見せていたのです。
人権よりも経済的利益を優先する国際社会もまた、こうした中国を許しました。
IOC国際オリンピック委員会は、自分たちは政治に関与せず、「中立の立場」を維持しなければならないのだと主張してきています。
しかし、今回ばかりは、開催地を決定したのは、IOCであり、責任を負うべきはIOCだと非難され、苦境に立たされている状況です。
こういった様々な状況から判断すると、中国への制裁のためには、北京オリンピックは絶好のチャンスなのです。
中止の方向へ動きがあると考えると、北京オリンピックの開催は赤信号だと言わざるを得ません。

北京オリンピック開催か中止か?日本の対応は?
各国の複数の人権組織が、中国による少数民族に対する人権侵害を訴え、2022年北京オリンピックの全面ボイコットを呼びかけています。
その背景には、前例のないレベルに達している、強制労働、文化・宗教への圧迫、弾圧などが挙げられます。
中国当局者に責任を取らせるため、国際的に連携した行動が必要だとして、ビザ発給制限や、渡航禁止、対中貿易の制限などを訴えています。
こう言った要望の中、自民党内でも会合を開き、中国による新疆ウイグル自治区での人権侵害などの意見を交わしています。
出席議員からは、北京オリンピックについて外交的ボイコットを検討すべきだとの意見も出ています。
北京オリンピック開催か中止か?海外の対応は?

2021年6月にアメリカ上院は、北京オリンピックにアメリカ政府当局者が出席しないよう、出席のための連邦予算支出の禁止法案を可決しています。
EU議会も7月に、新疆ウイグル自治区の人権問題が検証可能な形で改善されない限り、加盟各国やEU委員会に、政府代表や外交官の招待を断るよう求める決議を採択しています。
イギリス下院も同じく7月に、オリンピック開閉会式などに政府代表を派遣しないよう求める決議をしています。
西側諸国は政府関係者を、北京オリンピックに出席させない方針を決定し、足並みを揃えていることが分かります。
北京オリンピック開催か中止か?日本の今後の対応は?まとめ

今回は北京オリンピックは開催か中止か?の判断の中で、政治的背景を見ながら探ってきました。
アメリカ民主党の議員は、国のトップを中国に送り込むことで、中国政府に栄誉を授けてはならないと言っています。
西側諸国はおおむねボイコットの方向で、考えていることは間違いありません。
ただ、人権組織の委員たちは、アスリートのことや、生涯をかけてやってきたことについて、懸念を抱いていることを表明しています。
またアメリカ・オリンピック委員会も、ボイコットはアスリートたちを傷つけるだけだとしています。
こう言った流れの中で、中国メディアは、ロシアのプーチン大統領の、北京オリンピックの出席を取り付けたと発表しており、中国のしたたかさが伺えます。
日中国交正常化から50年の2022年、日本にとって中国は、経済的にも地理的・歴史的にも重要なパートナーであることは、議論の余地はありません。
中国に対し、大国としての責任を果たしてもらえるよう、G7の枠組みを通して、働きかけが重要になってきます。
その意味では北京オリンピックが、日本の使命を大きく問われるオリンピックになるのかも知れません。
日本の首脳の北京オリンピックへの参加は、アメリカの了解のもとで、出席する公算が高いのではないかと考えます。
北京オリンピックの開催か中止か?については、西側諸国は、外交的ボイコット。
つまり選手の参加は容認するが、政府は北京オリンピックを認めない。
それ以外の国々は、オリンピック開催に賛成。と2分されるオリンピックになります。
結果的には形式上、北京オリンピックは開催されることになると予想されます。
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